資産形成をする際に「リバランス」という言葉を聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。
この記事では、
- リバランスとは?
- リバランスはどのようにすれば良いの?
- リバランスを行う頻度は?
など、資産を増やしたいけど、投資があまり詳しくない方に向けてFP兼トレーダーが徹底解説していきます!
目次
リバランスとは
資産の内訳のことをポートフォリオといいますが、この比率は人によって異なります。
なぜなら投資対象は複数あり、かつ保有している金額も人によって異なります。
投資対象の例として、
- 現預金
- 国内株式
- 海外株式
- 投資信託(ETF)
- 国内債券
- 海外債券
- 外貨預金
- 不動産
- 金
- ビットコイン(仮想通貨)
などたくさんあり、人によって保有比率は全く異なるのです。
リバランスは投資初心者やリスク分散したい方はするべき
リバランスの最大の目的は資産配分の最適化です。
すなわち、分散投資をしている方はリバランスをするべきです。
投資初心者であったり、日中はサラリーマンとして働いている方は相場を頻繁にチェックすることは難しいです。
そして、日中の相場が気になって、本業に支障をきたすのは本末転倒です。
リバランスをする方法とは
ではリバランスをする方法を解説しましょう。
まずはご自身の資産配分を洗い出します。
例えば500万円の資産があり下記のような資産配分だったとします。
投資先 | 割合 | 金額 |
現預金 | 30% | 150万円 |
株式 | 30% | 150万円 |
債券 | 10% | 50万円 |
投資信託 (リート=不動産) | 20% | 100万円 |
ビットコイン | 10% | 50万円 |
総額 | 100% | 500万円 |
当初、上記のような配分で資産を保有していたとします。
上記のうち、株式とビットコインが急騰したとします。
(ここではわかりやすく大袈裟な数値としています)
投資先 | 割合 | 金額 |
現預金 | 21.5% | 150万円 |
株式 | 42.8% | 300万円 |
債券 | 7.1% | 50万円 |
投資信託 (リート=不動産) | 14.3% | 100万円 |
ビットコイン | 14.3% | 100万円 |
総額 | 100% | 700万円 |
このように投資対象の比率が大きく変動し、資産のうちの4割以上が株式が占める割合となりました。
資産配分に変動が起きた時のタイミングで行うべきことは2つあります。
- 比率を整えるために、株式150万円とビットコイン50万円相当を利益確定する
- 比率を整えるために、他の投資先に追加投資をする
です。
上記の例では資産が増加しているため、1の利益確定をして現金化をすることが良いです。
では逆の事例の場合を確認しましょう。
投資先 | 割合 | 金額 |
現預金 | 37.5% | 150万円 |
株式 | 18.75% | 75万円 |
債券 | 12.5% | 50万円 |
投資信託 (リート=不動産) | 25% | 100万円 |
ビットコイン | 6.25% | 25万円 |
総額 | 100% | 400万円 |
今度は株式とビットコイン相場が急落したケースです。
この場合だと他の資産割合が増加して、現預金は40%弱にまで増加しました。
この時は、可能であれば現預金の一部を「株式」と「ビットコイン」に買い増しをすることで、それぞれの平均取得単価を下げる事ができます。
このようにして、資産配分を適正化することでリスク分散をすることが可能です。
初心者のおすすめリバランスとは
投資初心者におすすめなリバランスとしては、
- 自分が把握できる数の投資先に限定する
- 現預金を多めに保有しておく
- あまり頻繁にリバランスをしない
これらについて詳しく解説していきます。
自分が把握できる数の投資先に限定する
まずは自分が把握できる程度の件数にするために、最初は3つ、4つ程度までにしておきましょう。
- 現預金
- 株式
- 投資信託
- ビットコイン
多くてもこのあたりまでにしておき、気軽に証券会社のマイページで残高確認ができるようにしておきましょう。
投資初心者であればマイページの見方に慣れることも重要です。
まずは「資産状況」の項目にすぐにチェックできるようにアプリを導入しておくなどをしておきましょう。
そして簡単で構わないので比率をExcelなどで控えておくと良いです。
現預金を多めに保有しておく
まず現預金は立派な投資対象です。
リスク分散の中の「安全資産」という位置付けであり、投資先のポートフォリオの1つです。
そしてこの現預金比率を最初は多めにしておきましょう。
リスクのある投資先の比率が少ないほど、当然ながら資産残高の変動は少なくなります。
そして上述したリバランスをする時に、買い増しをすることも柔軟に対応することが可能です。
目安としては現預金は、毎月の生活費の4ヶ月〜6ヶ月分を保有しておきましょう。
なぜなら、日本は保障制度が充実しており、人生においてリストラ、病気などのリスクも存在します。
しかし、リストラされたら一週間程度後には失業保険が貰えますし、自己都合でも3ヶ月後には失業保険が貰えます。
病気でも傷病手当、労災、医療保険、高額療養制度など様々な生活の援助する制度があるため、生活費の4ヶ月程度の現預金を保有していれば生活に困ることはありません。
リバランスの適切な頻度とは?
ではリバランスはどのくらいの頻度で行うべきでしょうか。
毎月?
半年に1回?
年に1回?
など思う方もいますが、普段会社員として働いているのであれば「年に1回程度」で構いません。
なぜならこちらのポートフォリオビジュアライザーというサイトでシミュレーションをしました。
条件は、
- 現金を含む3つの投資対象に分散投資
- 過去30年間投資をした
- 資産配分が左が順番に「現金:ETF:株式」の比率で
「40:30:30」と「34:33:33」と「30:35:35」の3パターンで検証 - この変動した時に年に1回リバランスするか、毎月リバランスするかを検証
【条件】
【毎月リバランスした場合】
【毎年リバランスした場合】
引用元:ポートフォリオビュジュアライザー
そしてこれは過去30年間の結果であり、今後も同様の結果かどうかは不透明であるからこそ、毎月リバランスをする必要はないかと思います。
まとめ:投資初心者はや投資が本業ではない方は、年に1回リバランスをしよう
今回はリバランスについてやリバランスをする頻度について解説しました。
結論は、
それよりも重要なことは長期投資をすることであり、頻繁にチェックしてしまうと神経を使ってしまいます。
年に1回程度資産残高を見直しつつ、都度投資対象を検討すると良いかと思います。
また将来の資産形成についてのおすすめはこちらで解説していますので、ポートフォリオの内訳に悩んでいる方はこちらで投資対象を参考にしてみてください。

では最後までお読みいただきありがとうございました!
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