為替リスクとは?元銀行員が分かりやすく解説します!

為替リスクとは,投資投資
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投資をすると為替リスクという言葉を耳にすることもあるかと思います。

為替リスクは多くのところで目に見えず発生しているリスクであり、実は国内の投資でも為替リスクは関係しています。

この記事では為替リスクとはどのようなものかを理解して、投資判断の鮮度を高めていきましょう。

 

為替リスクとは何?

為替リスクとは,投資リスク

まずこちらの公益財団法人国際通貨研究所によると、

為替リスクとは、為替相場の変動によって企業や個人が保有する外貨建て資産・負債の自国通貨換算額が変化して、利益や損失が生じる不確実性のこと。

とあります。

難しい表現や言葉が出てきますが、もう少し噛み砕いた表現すると、

保有している外国に関係する資産が、為替レートの変動によって価値が上下するために、売却して日本円に戻す時に利益や損失が発生するリスクです。

 

例を用いて解説します

現在の日本円と米ドルの為替相場が1ドル=110円だとします。

そこでアメリカのとある企業の株式を1株500ドルで購入したとします。

この場合、500ドル×110円(為替レート)=55,000円でアメリカの株式を購入したとします。

そこで1年後、この保有していたアメリカの株価は全く音沙汰がなく、購入時点の1株500ドルのままだったとします。

そして株価が上がる気配がないため、売却しようと考えました。

 

売却するということは株を売却→ドルを日本円に換金するという流れが生まれます。

この時の為替レートが仮に1ドル120円になっていたとします。

すると、1株を売却し→500ドルを手にする→500ドルを日本円に換金するため、

500ドル×120円(為替レート)=60,000円

当初、55,000円で1株購入しましたが、為替変動により、株価は変わらないが5,000円の利益が生まれるということです。

 

上記のケースで、もしも株式を売却するタイミングで為替レートが1ドル=100円になっていたら、

500ドル×100円(為替レート)=50,000円が返ってくるため、

50,000円−55,000円で5,000円損失するということになります。

 

為替リスクとは利益にも損失にもなりうる振れ幅のこと

上述の通り、為替リスクとは外国の資産を保有していて、いざ日本円に換金する時には為替の影響で利益にも損失にも繋がります。

この利益にも損失にもなることを「リスク」と言います。

そのため、リスク=損失(マイナス)という訳ではないです。

そしてこの利益にも損失にもなる可能性が高いことがリスクが大きいという表現を使います。

だからこそ、FX(外国為替証拠金取引)はこの為替の変動を狙って、レバレッジをかける(証拠金を預けることで預けた資金の2倍、3倍などの資金運用ができること)ためにハイリスクな投資と言われています。

 

日本国内への投資にも為替リスクは存在する

実は日本国内の株式や投資信託を購入しても為替リスクは間接的に影響しています。

 

特に国内株式の投資信託などは影響がありますが、日本の日経平均株価を構成している銘柄225社の多くが輸出で利益が上がりやすい企業が多く含まれています。

輸出で利益が上がりやすいということは為替において円安になる方が有利になります。

 

例えば、同じ商品を海外に売る際に、1個=100ドルで海外に販売するとします。

為替レートが1ドル100円の場合、100円×100ドル=10,000円で販売します。

これが、円安(円の価値が安くなる)となり、1ドル=110円になると、

110円×100ドル=11,000円で販売することができます。

このことから円安になる方が売上が上がりやすいため、日経平均株価を構成している企業には輸出する企業が多いことから、

円安になると、日経平均株価は上がりやすいという因果関係が生まれます。

 

ということは、円安になると日経平均株価が上がりやすい=投資信託の国内株式の価格も上がりやすいという関係が発生します。

 

円安になれば良いという訳ではない

資産価値でいうと円安になる方が、株価も上がりやすく良い印象を受けます。

しかし、一概に円安方向に進めば日本は良いという訳ではありません。

円安とは円の価値が安くなることです。

 

1ドル=100円の価値だったのが、極端に説明すると1ドル200円必要になるということです。

円の価値が下がるということは、海外から見た円の価値が低い=労働賃金なども安くなるということです。

 

同じ月額30万円の給料でも、自国通貨に換金すると大幅に目減りします。

すなわち、日本円の価値が下がり円の魅力が低くなる→日本で労働する魅力が減る→優秀な人材が集まらない。という関係が生まれます。

このような連鎖が発生してしまい、長期的に見たら企業の競争力が落ちてしまうために、株価下落を招いてしまいます。

 

結論:為替リスクは身近に潜んでいるからこそ、リスク分散を

為替リスクは海外向けの投資をせずとも、国内株式や投資信託でも裏側でリスクが潜んでいます。

上述の解説の通り、円安になれば良いという訳ではありません。

 

かといって円高になると株価にも影響を与えやすいです。

また、為替レートの変動は健全な自由競争だからこそ誰にも操作はできませんし、予測ができないからこそ、リスク分散をしておくことが重要です。

 

具体的には日本の株式だけに投資をするのではなく、アメリカの株式、その他の国に向けた投資など投資対象国を分散させることもリスク分散となります。

 

投資の初心者こそ「リスクは分散させる」ことを大切にしましょう。

 

では最後までお読み頂きありがとうございました!

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