ハイリスクな投資であるFXですが、短期間で稼げるとFXを始める人もいるかと思います。
しかし、ネットやSNSで数十万円が数千万円になった、毎月100万円稼ぐなどの甘い情報からメリットのみを知ってFXを始めようか考える人もいるのではないでしょうか。
目次
FXのリスクを理解しないで投資を始めない
FXはハイリスクな投資方法です。
リスクとは「振れ幅」のことですが、大きく稼げる可能性がある反面、大きく資産を失う可能性も同様に備わっています。
筆者自身、一度FXで大きな損失をした経験があります。
だからこそFXのリスクやそのリスクによって影響が起こる可能性を理解しないで始めることは非常に危険です。
まずはFXのリスクを理解しましょう。
FXのリスクとは
ではFXの投資におけるリスクを知っておきましょう。
- 為替変動リスク
- レバレッジリスク
- 金利変動リスク
- 流動性リスク
- その他
為替変動リスク
為替レートは月曜〜金曜の間は24時間変動しています。
各通貨ごとで価格が上がったり、下がったりと変動するため売買と反対に相場が動くと損をしてしまいます。
この変動要因は複雑で、各国の経済動向や政治、金利情勢など幅広い理由が絡み合ってます。
レバレッジリスク
レバレッジとは信用取引であり、証拠金と言われる口座に残高を入れておくと、それに応じて口座残高よりも大きな金額で取引をすることが可能です。
仮に10倍のレバレッジをかけようと思うと、100万円を口座に入れていると1000万円で運用している資金量を持つことが可能となります。
だからこそ、大きく稼げる反面、大きく損をする可能性があるハイリスクハイリターンとなるわけです。
金利変動リスク
各国の金利情勢によって為替レートは変動します。
また、FXにはスワップと呼ばれる各国間の金利差を1日単位で受け取ったり、支払う制度があります。
仮に日本円の基準金利が0.1%、米ドルが1%の金利だとすると、差額が0.9%です。
これを日本→米ドルに交換していると、米ドルを保有することとなり、差額の0.9%相当が1日単位でスワップ(金利)を受け取ることが可能です。
しかし、逆に米ドルを売って→日本円を購入すると差額の0.9%相当のスワップ(金利)を毎日支払うことになるため、保有しているだけで金利を支払うことになってしまいます。
流動性リスク
流動性とはすぐに現金化できるかですが、もしも希少(マイナー)な通貨の取引をしていると、売りたくても(買いたくても)希望価格ですぐに取引できない可能性があります。
その他のリスク
証券会社のルールによっては強制ロスカット制度(ここまでマイナスになったら強制的に決済する)で取引を終了されたり、
証券会社のシステムによって、希望のレートで売買できないこともあります。
特に為替レートが急変して大きく動いた時には起こることがあります。
「【悲報】資産運用を間違えている人が多い。資産運用と資産形成の違いとは」
FXが影響でもたらす影響とは
ではFX自体のリスクは理解しつつ、実際にあなたに起こりうる影響を知っておきましょう。
- FXへの投資金額が全額なくなる可能性
- 追証で追加に支払う可能性
- 本業に影響する可能性
追証で追加に支払う可能性
FXの取引には証拠金と言われる資金を口座に入金しているからこそ、その数倍のレバレッジをかけることが可能です。
しかし、取引を行って相場が逆に動くことで、評価損としてマイナス評価になります。
このマイナス評価が定められた証拠金分を下回ると、差額分を口座に入金しないと強制的に決済(ロスカット)されてしまいます。
FXへの投資金額が全額なくなる可能性
FXを始めるとレートが上がるか下がるかの2択ではありますが、自分が想定した方向と逆に動くと口座の評価損がどんどん膨らみます。
初心者の多くの方がこの時「いつかはレートが戻るだろう」と思いますが、これがさらにレートが加速するとそのまま、口座のお金が全てなくなるということがあり得ます。
証券会社によっては強制ロスカットルールがあり、口座残高が20%とかが残る可能性もあります。
しかし、政治の政策などで急に相場が動いてロスカットが正しく発動しないこともあります。
この時に口座残高を全て失う可能性もあります。
本業に影響する可能性
FXはこれが一番怖いリスクかもしれません。
リスク管理が徹底できていない状況で始めると、最初は相場の変動で大きく資産が動くことに驚くかもしれません。
これが思惑と逆に動いた時にかなりメンタルが動揺してしまいます。
私自身、かなりメンタルが動揺してしまい、本業の仕事が集中できなくなったこともありました。
だからこそ資産管理、リスク管理ができないままFXを始めるのはとても危険です。
FXはゼロサムゲーム
FXはゼロサムゲームと呼ばれており、為替レートは常に上がるか下がるかの2択です。
そのため、利益を得るユーザー、損をするユーザーの2択しかなく、資金量で考えると利益と損失は同じです。
そして、為替の参加者において資金量の大半が機関投資家(証券会社やヘッジファンドなど)が参加していることからも個人の資金量では元々不利な投資方法です。
機関投資家の1社が仮に1億円儲けていたら、誰かが1億円損をしています。
これは、1000万円損をした人×10人かもしれませんし、100万円損をした人×100人かもしれません。
こちらのフランスの公的機関の調査によるとFXで損をする人は89.4%もいるとのことです。
FXは資産運用期から始めよう
資産運用と資産形成は違います。
- 資産形成はこれから資産を作っていく段階(まだ貯金も少ない状況)
- 資産運用は資産をある程度作ってから、さらに資産がお金を作ってくれるために運用する段階
そのため、まだ資産を作っていく資産形成期にハイリスクなFXを行うことは、まだ少ない資産を大きく危険にさらすこととなり、適切な投資とは言えません。
もしもFXを行う場合は、資産を作って資産形成期から資産運用期のタイミングになってから、資産運用の1つとして始めることをおすすめします。
まだ資産がそこまで作れていないタイミングで大きく損をする可能性のあるFXを始めるのは適切ではないです。
何よりも、FXで10万円が1000万円など甘い話には簡単には乗らないことが大切です。
資産形成と資産運用の違いは下記で詳しく書いています。

FXの自動売買はおすすめしない
資産を預けると自動売買ツールで資産が勝手に増えるなどの甘い話はよくあります。
実際に全ての自動売買を行った訳ではないので全てを完全否定する訳ではないですが、相場や流れは常に変化します。
そのため、自動売買ツールが常にその相場に適用することはなく、永久的に勝手に資産を増やしてくれることはあり得ません。
まとめ:FXは資産形成の段階ではやらない。FXをやるならリスクを理解した上で始めること
- FXはかなりハイリスクな投資
- 最悪は口座の大半を失う可能性がある
- FXのリスクを理解しないと本業にも影響を与えるかもしれない
- FXのリスクを理解してから始める
- 始める場合は資産運用するほどの運用資金を貯めてから
これらを必ず守るようにしましょう。
筆者自身、FXについてきちんと勉強せずに始めて痛い思いをしました。
この記事を読んでいるあなたは同じように損をしないようにして欲しいと思います。
また、リスクを適切に理解して運用する分には大きなリターンも狙えるため、FXを正しく資産運用として利用できるようになりましょう。
また資産形成の段階の場合はこちらの記事で、着実に資産を作ることから始めましょう。

では最後までお読みいただきありがとうございました!
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