2021年6月8日に、エルサルバドルという国が”世界で初めてビットコインを法定通貨に認定する”ことが決まりました。
このことにより、ビットコイン価格も5%程度上昇したり、相場も動きました。
この記事では、
- ビットコインが法定通貨になった理由
- 法定通貨になった後に予想されるメリット
- 法定通貨になった後に予想されるデメリット
このような、ビットコインの将来性に関わることについて、初心者向けに解説します!
目次
ビットコインがエルサルバドルで世界初の法定通貨に認定
こちらのNHKでも取り上げられている通り、2021年6月8日にエルサルバドルの国会で暗号通貨(仮想通貨)のビットコインが法定通貨とすると決定しました。
国会では、84票のうち62票が法案に賛成と多数が賛成で可決しました。
エルサルバドルとはどういう国?
エルサルバドルは中央アメリカの小さな国です。
- 人口は約640万人
- 1990年代まで10年以上の内戦が続いた影響で産業が乏しい
- 土地所有制が残っており、貧富の格差が激しい
- 貧富の格差から海外への移民が多い
- 国のGDP(国内総生産)の2割が移民先から国内家族への送金
- しかし、7割の国民が銀行口座を持っていない
このような貧困国の1つです。
ビットコインが法定通貨になった背景とは
エルサルバドルでビットコインが法定通貨とした理由はいくつかあります。
その理由は主に、
- エルサルバドルは貧困国の1つであり、経済難である
- ビットコインを法定通貨にすることで金融機能を全ての国民に提供できる
- 観光やイノベーションなど経済全体の発展を狙うため
その①:エルサルバドルは貧困国の1つであり、経済難である
こちらの外務省によると、エルサルバドルの経済は、
- 衣類製品の輸出
- コーヒー豆製品の輸出
- 砂糖の輸出
- 海外移民から国内家族への送金
などで成り立っており、突出した産業が少ないです。
なお、GDP(国内総生産)は、27,022百万ドル(2019年、中銀)=約2.95兆円です。
ちなみに日本の時価総額トップであるトヨタ自動車は、約32兆円の時価総額です。
エルサルバドルの経済力は日本の企業1社の1/10程度しかありません。
その②:ビットコインを法定通貨にすることで金融機能を全ての国民に提供できる
上述の通り、GDPの2割が海外への移民者からの送金です。
海外送金を銀行で行う場合、数日待つ上に数千円の手数料が発生します。
これは国内の住民同士でも送金し合うことが可能になり、金融機能の発展に寄与します。
その③:観光やイノベーションなど経済全体の発展を狙うため
エルサルバドルでは既に2020年から一部の観光スポットでビットコイン支払いの利用が可能です。
また日常の食料品や公共料金の支払いもビットコインでの支払いを可能にしました。
日本では考えにくいですが、銀行口座を持っている人はわずか3割程度です。
そのため、多くの方は現金をそのまま保有していたりと治安面でも危険です。
ビットコインが法定通貨になるメリットとは
ではビットコインが法定通貨になるメリットを知っておきましょう。
- 国がビットコインを保有する
- ビットコインの利用者が増える
- 今後もビットコインを法定通貨にする国が増えるかも
メリットその①:国がビットコインを保有する
法定通貨になるということは国が公認しているため、今後は国もビットコインを保有することになります。
そのため、国レベルでの資金がビットコインに流れることになります。
なお、エルサルバドルの国家予算は約64.25億ドル(約7029億円)であり、その一部のみがビットコインになるため、大きな金額変動には至りません。
メリット②:ビットコインの利用者が増える
ビットコインの利用者が増えることで必然的に、保有する人は増加します。
そのため、将来的にビットコインで送金し合ったり、ビットコインを保有している量や人が分散されます。
メリット③:今後もビットコインを法定通貨にする国が増えるかも
今回、世界で初めてビットコインが法定通貨になりました。
エルサルバドルと同じように経済難である新興国は複数存在するため、今回の影響を受けてビットコインを法定通貨に採用する国が出てくるかもしれません。
ビットコインが法定通貨になるデメリットとは
ビットコインが法定通貨になるデメリットも知っておきましょう。
- ビットコイン価格の変動が大きく、安定的に通貨としての役割が果たせるか不安
- 法律の改正が行われる可能性がある
デメリット①:ビットコイン価格の変動が大きく、安定的に通貨としての役割が果たせるか不安
ビットコインの価格変動は大きいです。
そのため、通貨として安定性を確保できるかは懸念であり、国際通貨基金(IMF)としても懸念があり、慎重な対応が必要だと述べています。
デメリット②:法律の改正が行われる可能性がある
ビットコインが法定通貨になったということは、仮に米ドル→ビットコインへ交換することは「為替」になります。
従来は、仮想通貨であることから、為替の法律は関係なく仮想通貨に関する法律に遵守していました。
日本でも仮想通貨は「資金決済法」として管理していましたが、”為替”になると仮想通貨取引所が運営するための資格が必要になってきます。
そのため、管轄である金融庁からの指導や法整備などが起きる可能性があります。
今後の仮想通貨に関する税制はどうなる?
仮想通貨は2021年現在、雑所得の総合課税として、他の所得と合算して税率を決めています。
そのため、最高で所得税45%+住民税10%の55%が発生します。
しかし為替であれば、一律20.315%(所得税15%+住民税5%+復興特別所得税0.315%)
の税率で分離課税(他の所得とは切り離して計算する)です。
そのため為替として取り扱うなら20.315%になる可能性はあります。
まとめ:ビットコインの法定通貨は将来の変革が起こる可能性もあるが、デメリットもある
今回は世界初のビットコインが法定通貨になったことに関して解説しました。
国の経済発展に貢献する可能性がある一方で、価格変動の大きさや法律の懸念点も大きいです。
そのため、投資家である私たちは情報に振り回されずに、長期的な視点で判断しましょう。
なお、仮想通貨投資に関して気になる方は下記でロードマップとして解説しています。

では最後までお読みいただきありがとうございました!
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